ヒバナ-kemu Remix-とは、2019年に発表した、DECO*27の楽曲「ヒバナ」のリアレンジ楽曲である。
概要
楽曲情報 | |
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曲名 | ヒバナ(kemu Remix) |
制作陣 | 歌唱:初音ミク 作詞:DECO*27 作曲:DECO*27 編曲:kemu |
備考 | 「アンドロイドガール」Amazon特典収録 |
DECO*27がリリースした「アンドロイドガール」というアルバムのAmazon特典のみに収録された楽曲。
ヒバナ 原曲はこちら
原曲は2017年に発表され、様々な方面で人気を集めた、言わば「近年ボカロ曲の代表作」と言われる楽曲である。
楽曲の特徴
「kemuらしさ」とは何か。
皆さんはどう答えるでしょうか?筆者は、この楽曲を聴くまでは「BPM高めの、高速ロックサウンド」だと考えていました。
「BPM高めの、高速ロックサウンド」目当てのkemuリスナーは、ちょっと期待外れに感じるかもしれません。そういう方は、同時期リリースの「決闘」や「アンダーワールドウタウタイ」のほうがお好みかもしれません。でも、違った視点から「kemuらしさ」をとらえていたリスナーには、きっと胸を打たれるものと考えられます。「編曲」ではなく、原曲を分解し再構築する「Remix」という普段の楽曲とは異なるフィールドでの制作だったため、楽曲の起伏などを考えずに作れたというのも大きいのではないかと考えています。
冒頭は、まさかのピアノ独奏から始まります。
ちょっと固めのピアノの音と、ボカロの機械的な声が不思議な感覚を誘い出します。サビも、ディジタルなドラムが増え、大きめなビートを刻むだけ。
この感覚は、どちらかというと、「kemu」というよりも、「wowaka」らしい感じさえ感じられます。(wowakaさんが所属するロックバンド「ヒトリエ」については『HITORIE DATABASE』をご覧ください。)
そして、1番が終わり、楽曲は大きく姿を変えます。
ピアノの音色主体で、大きくディストーションを効かせたギターサウンド。2番サビ入りの不協和で不思議な進行(「蜜(LiSA)」でも神秘和音と呼ばれる似たような雰囲気のコードを使われています。)、打ち込みメインの四つ打ちのビート、ディジタルなエフェクト…
どれも、今までのkemu楽曲、いや、堀江晶太楽曲でもあまり感じられなかった要素ばかりです。
簡単に言うと、「今までのkemu楽曲では全く見られなかった要素ばかり詰め込まれたRemix」なんです。これは、今までの考えなら「kemuらしく」は無いのです。
ということで、「kemuらしさ」を再考していこうと思います。
「人生リセットボタン」のライトノベルのあとがきで、ノベル作者が「KEMU VOXXの楽曲は、ボーカルも楽器もすべて同じ、ひとならびの要素のように感じる」と記していたことを思い出しました。
「kemuらしさ」とは、勿論高速ロックという側面もありますが、全ての要素をフラットにして、その中で「ボーカル曲」ではなく「ひとつの曲」として再構築したものとも考えられるんじゃないかなあ…とも感じました。それと、本人にとって、実験的なフィールドであるということ。ほぼ打ち込み、生音ではなく硬めの音、というのは「堀江晶太」の楽曲ではなかなかありませんから。今後、KEMU VOXX楽曲が生まれるかはわかりませんが、期待は大きいです。
ところで、堀江氏は「kemu」という名義の使い分けに関しては結構こまやかな気がします。ボカロを使うか、使いまいかが大きな境界だと推測しています。
以前、とあるPENGUIN RESEARCHが出演していたイベントで、MCから「けむむむ」というニックネームを付けられた際、明らかに微妙な反応を示していたことがあり、我々が思っている以上に、この使い分けに関してはプライドがあるかもしれません。
色々話は長くなりましたが、とにかく「kemuファン」は、一度聴いてみてほしいです。多分、kemuらしさの考えが変わります。
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